架空請求SMS(ショートメール・メッセージ)が届いたのでブロックしてみました。
届いたメッセージを見て、1秒で架空請求やフィッシングだと判る人も多いはずですが、現実に目を向けると総被害額は億単位で増える一方です。
これらの状況を踏まえ、今回は「架空請求SMS(ショートメール、メッセージ)が届いたら、どうしたら良いのか?」について触れてみたいと思います。
架空請求SMSとは?
eメールでは無く、SMSに届く詐欺メッセージ
充実の「eメール」迷惑メール対策
従来は「迷惑なメール」と言えばキャリアやプロバイダー等から提供される「eメール(例:○○○@△△△.jp)」に対して送りつけられていました。
しかし、現在の「eメール」サービスは強固で、迷惑メール対策が盛り沢山です。
「eメール」に「迷惑なメール」が届いても「迷惑フォルダ」に自動仕分けしたり「自動削除」する機能が標準装備されています。
eメールに届く迷惑メールの脅威度は低くなったと言えそうです。
今回、問題としているのは電話番号に送信するメッセージ(SMS)に届く「詐欺メッセージ」です。
貧弱な「SMS」迷惑メッセージ対策
eメールの迷惑対策強化、LINE等メッセージアプリ普及によるeメール利用機会低下など理由は多岐に渡りますが、新たに狙われたのはSMS(ショートメール・メッセージ)です。
SMSには下記にような特徴があります。
- 相手の電話番号だけでメッセージ送付可能
- eメールに比べ貧弱な迷惑メッセージ対策
この特徴を悪用し「悪意のある送信者」は「SMS」を「架空請求行う手段」として頻繁に利用しています。
実際に届く架空請求SMS
迷惑なSMS(ショートメール、メッセージ)は、何の前触れも無く皆さんのスマホ(ガラケー含む)に届きます。
メッセージ例:架空請求SMS
架空請求SMSの例です。
他にも多数の架空請求SMSを確認しましたが、概ね同じ様なメッセージ内容でした。
※例(要約):架空請求SMS
- 有料コンテンツを利用したのに料金未払いだから払え!
- 未納料金があるから電話をしてこい!
- 未納料金を払わないと法的措置に移行する!
メッセージ例:フィッシングSMS
また、最近ではアカウントの不正ログインを狙う「フィッシングSMS」が届く例も見受けられます。
※例(要約):フィッシングSMS
- 不正ログインの可能性があるのでIDパスワードを変更してください「URL」
- 異なる端末からのアクセスを確認いたしました。再開手続きはこちら「URL」
- お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。・・・「URL」
※「URL」リンク先は偽サイト。偽サイトでの入力内容は送信者に盗まれ、不正利用される
残念ながら、今後もSMSを使った詐欺バリエーションは増えてる事が予想されます。
もはや、知らない相手・見に覚えが無いSMSは全て警戒すべき対象です。
実在の会社になりすましている
前述の「実際に届いた架空請求SMS」の通り、実在する会社になりすまして詐欺SMSを送ってくるのが常套手段です。
有名な企業やサイト・団体等の名前がメッセージに記載されているからと言って信用してはいけません。
ユーザーとしても非常に迷惑な「なりすまし」ですが、企業各社(本物)としても大変迷惑しているようで、公式発表がなされています。
なぜ届くのか
送信者になぜあなたの電話番号が知られているのか?結論としては「悪意のある送信者」当事者に聞かないと分かりません。
しかし、長年複数回線を運用して感じた傾向を述べておきたいと思います。
顧客リストを悪用
迷惑SMSが多い番号は、迷惑電話(営業)が多い番号でもありました。
残念ながら、顧客リストを公に激安販売する企業が存在出来てしまう時代です。
何処かから調達された顧客リストが悪用されている可能性は非常に高いでしょう。
今更、保有している企業や数、買った企業も不明です。
リストが悪用される事は防ぎようがありません。
年齢性別不問で届く
年齢性別不問で同時期に同じメッセージが届く事例がったので、無選別に送信される可能性も捨てきれません。
電話番号だけで届くSMSなら、番号順に送信してゆけば良いだけなのです。
何れにせよある日突然、子供から年配の方にまで、メッセージ内容に関係なく届く可能性がある事を覚えておきましょう。
架空請求SMSが届いたらどうしたら良いの?
あなたのやるべき事
架空請求SMSが届いた、あなたのやるべき事はただ一つだけです。
- 無視
つまり、何もしてはいけません。
不快な迷惑SMSを削除したり、ブロックするのは構いませんが、メッセージ送信者に連絡をとる行為は絶対にダメです。
やってはいけない事
具体的に、やってはいけない事の一例を紹介しましょう。
- メッセージに記載されている電話番号に電話する
- メッセージに返信する(※返信出来ないように送られる事の方が多い)
- メッセージのURL(https~)リンクを開く
重要な事なので再度記載します。
あなたのやる事は「無視(何もしない)」です。
【ダメ】メッセージ記載の番号に電話・返信する
こんなメッセージが届いたら、さぞ不安になる事でしょう。
※例(要約):架空請求SMS
- 有料コンテンツを利用したのに料金未払いだから払え!
- 未納料金があるから電話をしてこい!
- 未納料金を払わないと法的措置に移行する!
何の料金の事なのか?詳細を確認・問い合わせをしたくなるかも知れません。
しかし、「メッセージ記載の番号に電話や返信」するのは絶対にダメです。
散々不安を煽られて、いつの間にか契約していたかの様に言いくるめられ、だまし支払う事になることでしょう。
未契約なのに、閲覧しただけで契約完了させる事は出来ません。
重要な督促をSMSで行うことはありません。
「SMSで請求」「SMSで督促」は全て詐欺と思って良いでしょう。
あなたのやるべき事は「無視(何もしない)」です。
【ダメ】不正ログイン警告のURLリンク
不正ログイン警告がSMSで届いても、焦ってSMSからアクションを起こさないでください。
「不正ログイン(偽)警告SMS」は現在のフィッシングの常套手段です。
※例(要約):フィッシングSMS
- 不正ログインの可能性があるのでIDパスワードを変更してください「URL」
- 異なる端末からのアクセスを確認いたしました。再開手続きはこちら「URL」
SMS(ショートメール・メッセージ)で「不正ログインについて」と「URLリンク」が併記されている場合は、フィッシングSMSが濃厚です。
※URLリンク先はフィッシング(偽サイト)。入力した内容は送信者送られ、アカウントは不正利用される
判別が難しい場合、メッセージのURLリンクからでは無く、公式サイトでログインするなどして状況確認しましょう。
見分け方
不安な人は情報取集
何度も述べましたが、原則「SMSで請求」「SMSで督促」は全て詐欺です。
そして、あなたのやる事はあなたのやる事は「無視(何もしない)」です。
しかし、不安や焦りで支払ってしまう方があとを絶ちません・・・。
アダルトサイトの相談が5年連続1位に−慌てて連絡はしない! 焦って支払わない!−(発表情報)_国民生活センター
どうしても不安で仕方ない方は、「情報収集」をおすすめします。
明確な判断材料が増えると、架空請求である事に納得がいくかも知れません。
念の為、一般的な情報収集の仕方を挙げておきたいと思います。
1.公式webサイトをチェック
webブラウザ等で、企業(本物)の公式webサイトをチェックしてみましょう。
※△△△は企業名・webサイト名等
既に述べた通り、迷惑なSMSの多くは有名企業・WEBサイト・団体を騙っています。
騙られた被害者でもある各企業は、はた迷惑な被害を防ぐ為に公式サイトに「手口」や「文面サンプル」などを公開している事が多々あります。
※トップページやお知らせ、リリース、ヘルプ等に記載されている事が多い印象。
公式発表されている内容と同じような内容であれば、ほぼ100%架空請求と言えるでしょう。
各社公式発表
【amazon】AmazonからのEメール、電話、テキストメッセージ、またはウェブページかどうかを見分ける – amazon.co.jp
【Yahoo! JAPAN】架空請求を受けたら – yahoo-net.jp
【docomo】ドコモを装ったフィッシングSMSにご注意ください!- nttdocomo.co.jp
【DMM】DMMを装った架空請求について – DMM.com
【apple】フィッシングメールや偽のサポート電話などの詐欺を見抜き、被害に遭わないようにする – apple.com
今回紹介した発表は、ほんの一例でしかありません。
有名企業・WEB・団体は殆ど「なりすまし」の被害を被っている印象です。
2.迷惑電話検索サイトで検索
SMSに電話番号が記載されている場合に限りますが、一般の迷惑電話検索サイトで検索するのも悪くありません。
一般ユーザー投稿を元にしているので、信憑性は落ちるものの新手の番号でも情報が早期に掲載される印象です。
回線の大量保持・使い捨てが、想像にかたくない「悪意のある送信者」です。相性は悪くないと言えるでしょう。
【例:迷惑電話検索サイト】
3.一般サイトを検索
「1」「2」で情報が見当たらなくても、諦める必要はありません。
架空請求の情報は比較的関心度が高い情報く、メディアや個人運営サイトでも、何かしらの情報を得ることが出来る可能性が高いです。
ブラウザで、下記のようなキーワードで検索してみましょう。
※○○○はSMSで騙られている企業名、団体名またはSMS記載の電話番号。
※電話番号を入力する場合は「ー(ハイフン)」は不要です。
SMSブロックの種類
ブロック効果は限定的
今後「迷惑なSMS」を受け取りたく無い方は、真っ先に「SMSブロック(拒否)」を検討することでしょう。
現行のブロック機能は特定の相手(番号)から届かなくする事に主軸をおいています。
残念ながら、架空請求業者は大量の「配信元電話番号」を保有および使い捨てにしているとみられ、単一のブロック効果は限定的です。
塵も積もれば山
しかし、塵も積もれば山。
10件20件と、ブロック登録すればするほど、迷惑なSMSは届かなくなります。
明らかな「架空請求SMS」「フィッシングSMS」はブロックする事をおすすめします。
大きく分けて2種類
SMSブロックは、大きく分けて2種類存在します。
- SMS拒否設定(回線自体にSMSブロック設定)
※同じ相手からのSMSを半永久的にブロックしたい場合に有効。 - スマホアプリでブロック(アプリでSMSブロック設定)
※手軽にブロック可能。現在のSMSブロックのスタンダード。
何れも、指定した相手からのSMSが表示されなくなる点では同じです。
個々の違いを解説してみたいと思います。
1.SMS拒否設定(回線自体にSMSブロック設定)
キャリア回線レベルでSMSブロックを行う設定です。
特徴は回線自体にブロック設定する為、SMSがスマホに届く前に処理されるようになります。
※ざっくり図解
同じ相手から届く場合に効果絶大
「SMS拒否設定」自体は古くから存在する機能で、大手キャリア(ドコモ等)が提供しています。
SMS拒否設定の機能は下記の通り。
- SMS一括拒否
- 非通知SMS拒否
- 国際SMS拒否
- 国内他事業者SMS拒否
- 個別番号拒否を設定
- 個別番号受信
いわゆるブラックリスト設定である「個別番号拒否を設定」を使えば、同じ相手(番号)から何度も届く場合の、完全な対処が可能です。
パスコードブロックに注意
現在、日本国内では連絡手段として「LINE」等のメッセージ系アプリや「eメール」が普及しています。
海外のように「SMS」を連絡手段として利用する方は少数です。
上記理由から「SMSは全てブロックにしよう!」と思ってしまいがちですが、SMSはアプリやwebサービスの電話番号確認(2段階認証、パスコード)としても頻繁に利用されています。
SMS拒否設定(docomo)であれば、「個別番号拒否を設定(ブラックリスト)」以外は2段階認証等の認証用SMSもブロックする可能性があります。
- SMS一括拒否
- 非通知SMS拒否
- 国際SMS拒否
- 国内他事業者SMS拒否
- 個別番号拒否を設定
- 個別番号受信
SMS拒否設定は、「個別番号拒否を設定(ブラックリスト)」のみにとどめておくことをおすすめします。
他のブロック設定(SMS一括拒否等)を行う場合は運用でカバーが必要です。「認証用SMS受信前にブロック解除」 → 「認証用SMS受信後にSMSブロック設定」の作業を面倒でも毎回忘れずに行いましょう。
MVNOでもネットワーク暗証番号が分かれば使える
大手キャリア(ドコモ等)ユーザーしか使えないと思われている方も多いですが、いわゆる格安SIM(ドコモ回線を借りて運営しているMVNO)の契約者でも設定可能です。
MVNOにおける「ネットワーク暗証番号」の確認方法は統一されていません。
契約している各社のヘルプ等をチェックしてみましょう。
※セキュリティ上、MVNOが教えない方針の場合は素直に諦めましょう。
メリット
- 設定が端末に影響されない(端末を買い替えても初期化しても、同一回線ならブロック設定は変わらず)
デメリット
- 配信元の電話番号が必要
- ブロックしたSMS内容のチェック不可
- ダイヤル操作での設定・確認作業が煩雑
※ダイヤルでの操作方法(nttdocomo.co.jp)
キャリアユーザーはWEB上での設定可
※SMS拒否設定(nttdocomo.co.jp)
ブロック設定の継続性と設定の手間を考慮すると「SMS拒否設定」は、発信元が少ない場合に威力を発揮しそうな機能でした。
2.スマホアプリでブロック(アプリでSMSブロック設定)
アプリでブロックする手段です。
設定後、対象SMSがスマホに届いてから自動的に対処する設定です。
※ざっくり図解
SMSアプリも報告スタイルに進化傾向
SMSアプリも徐々に進化がみられます。
eメールを強固にした、報告型(迷惑メールの通報)がSMSアプリでもスタンダードになりつつあります。
明らかな「架空請求SMS」は、ブロックついでに迷惑メッセージとして報告しましょう。
すぐに実感は出来なくとも、利用者全員で作るスパムデータベースが「架空請求SMS」を駆逐してくれる日が来るかもしれません。
メリット
- ブロック操作が容易(画面表示で設定可能)
- 電話番号不明でも対処
- 報告機能あり
デメリット
- 原則、端末の初期化や買い替えでブロック設定は消える。引き続きブロックしたい場合には再度設定か、サードパーティ同期を検討。
アプリ上で設定や確認が出来る「スマホアプリでブロック」は、手軽さの面で大きなアドバンテージがありました。
SMSブロック手順
おすすめは「スマホアプリでブロック」
「異なる発信元」から「頻繁にSMSが届く可能性」を考えると、ブロック設定の手軽さは非常に重要です。
おすすめは「スマホアプリでブロック」する方法です。
主要なアプリでの設定方法を簡単に紹介しておきましょう。
Google「メッセージ」アプリのブロック手順
Google製「メッセージ」アプリ(android標準)を起動。
【ブロック手順】
- ブロックしたいSMSを長押しタップ
- ブロックボタンをタップ
- Googleに報告する場合 → チェック
- OK
該当のSMSが、一覧から消えていればブロック完了です。
今後、同じ相手からのSMSは表示される事も無く自動的にブロックされます。
なお、ブロック済の一覧表示簡単です。
- 設定(三点リーダー)
- スパム/ブロック中
誤ってブロックしたSMSを解除する場合も便利です。
メッセージ系スマホアプリ(※SMS等を送受信するアプリ)は数多く存在しますが、「対象SMSを選択後」→「ブロック」する流れは殆ど変わりません。
iPhone「メッセージ」のブロック手順
iOS(iPhone、iPad、iPod touch)ユーザーは、公式サイトに「メッセージApp」での拒否方法が記載されています。
まとめ
無視する事
「架空請求SMS」や「フィッシングSMS」が届いたらどうすれば良いのか?
何度も述べた通り、あなたのやるべき事は「無視」する事です。
届いたメッセージにアクションを起こす(返信、電話、メッセージ内のURLリンクを開く)のは絶対にやめましょう。
アプリでブロックがお手軽
迷惑なSMSは放置したままでも構いませんが、届く頻度を減らす為にはブロックをすべきです。
不特定多数である「架空請求SMS」「フィッシングSMS」のブロックは、スマホのメッセージアプリがお手軽でオススメ。
間違い無く詐欺SMSだと分かる場合には、ブロック時に報告(通報)もしておきましょう。
将来の迷惑SMS撲滅につながります。
なお、長期に渡り同じ相手(番号)から届き続ける嫌がらせ行為的なSMSは「SMS拒否設定(回線自体にSMSブロック設定)」での対処を検討してみましょう。
引き続き自己防衛を
時々、詐欺メッセージの犯行グループが摘発されたと報じられます。
しかし、摘発後も詐欺SMSは届いているのが現状。
残念ながら、メッセージ詐欺は数回摘発したくらいで無くなる事は無いほど闇を抱えているようです。
最近の明るい材料と言えば、SMSアプリに報告(通報)機能が標準化されつつある事です。
将来、SMSにもeメール並の強力迷惑メールフィルターが搭載される日も来るでしょうが、今のところは各自で積極的に自己防衛するのが賢明な判断です。
それでは、楽しいスマホライフを!