現在のスマホ用クリアケースと言えば、「TPU」が定番素材です。
安価で滑りにくい等のメリットがある一方で、比較的早い段階で変色(黄ばみ)してしまう弱点が広く知られています。
しかし、黄ばんでしまったからと言って、見た目以外の実用面に影響はありません。そんなケースをどんどん捨てるのも、少々気が引けてしまいます。
そこで、前々から気になっていた「TPUケースの後染め」を行ってみる事にしました。
今回は、「ダイロンマルチ」で「黄ばんだTPUケース」を染めた話です。
用意したもの
DYLON(ダイロン) マルチ
今回使う染料はダイロンの「マルチ(エボニーブラック 5.8g)」です。
パッケージはこんな感じ。
裏面です。
説明書が貼り付けられています。
※なお、記載されている手順は布を染める場合の為、今回のケースではあまり参考にならないかも知れません。
使った量
前述の説明書には、想定外の使い方であるスマホケース染めの分量は記載されていません。
参考までに、今回使った量を残して置きます。
ケース1個染めるのに1/4程度の量(1.4~1.5g)を使いました。塩は不要です。
なお、余った染料は口を折りたたんで、セロハンテープで止めて保管しました。
容器
使い捨て可能な染め物容器として、空ペットボトル(555ml、いろはす)を使う事にしました。
投入口として、上を切っておきます。
※後述しますが、このサイズのペットボトルは今ひとつでした。[失敗したところ]参照。
かき混ぜ棒
お湯と染料を混ぜる時に使います。ゴム手袋でも良かったのですが、熱湯を利用するので直接触れない棒にしました。
何を利用しても構いませんが、染料が染み込みます。使い捨てられるものが良いでしょう。
割り箸を使うことにしました。
お湯
お湯で染めます。
後で約500mlのお湯(約70℃)に染料を溶かします。
ケトルなどで、熱湯を沸かしておいて下さい。
作業開始
1.ケース洗浄
ケースに汚れがあっては、仕上がりに影響します。
キッチン等にある中性洗剤やハンドソープで洗いましょう。
2.染液作成
染料を投入し、お湯を注ぎます。
しっかりとかき混ぜる事も忘れずに。
染料は簡単には落ちません。こぼしたら大惨事です。注意しましょう。
3.つけ置き
ケースを染液に投入します。
今回は20分間、つけ置きする事にしました。
※お好みで加減してください。
4.完成
予定時間が経過したら、取り出して洗いてみましよう。
無事に染め上がりました。艶もあり黄ばみ気にならず、再度利用する事ができそうです。
濃い半透明の黒ですが、スマホに取り付けると、あまり透け感はありませんでした。
もっと真っ黒にしたい方は、染料を増やしたり、染め時間を長くするなどの工夫をしてみて下さい。半透明感を残したい方は、その逆です。
失敗?したところ
とりあえず、染める事には成功しました。
しかし、「こうすれば、もっと上手くいったかも?」と思った事もありました。
それらの反省点を述べて置きたいと思います。
汚れ落としが足りなかった?
よく見ると、内側の縁などにムラと油脂汚れがある事に気が付きました。
しっかり洗ったつもりが、長年使ったケースには予想以上の汚れが付着していたようです。
次回からは、「内側を歯ブラシ等で念入りに掃除してから染めよう」と心に決めました。
教訓
カバーはしっかりと洗浄すべし。特に内側の角など。
容器が小さかった。。
染め上がりを見ていただくと、お気づきかと思いますが、少し丸まって形が崩れてしまいました。
これは僅かに、ケースよりも染容器のペットボトル(555ml)が小さく、押し込んでしまった為です。
その後、サイズチェックをしてみましたが555mlのペットボトルでは5.0インチ用のスマホケースですら、かなり押し込む必要がありました。
染料の量を変えない場合、ペットボトルをサイズアップ(1L~1.5L)し、船のように横置きで利用するが良いかも知れません。
※ケースが液から出ないか?は事前に要チェック。
なお、別件でキッチンなどでお馴染みの「ポリエチレン袋(高密度)」でも容器代わりに出来ました。ただし、かき混ぜ中に穴を開けない等の注意を払う必要があります。
※100均でも売ってます。
ちなみに、レジ袋(買い物袋)はやめましょう。高確率で水漏れの原因となる穴が空いてます。
教訓
カバーの大きさにあった容器を用意
まとめ
初心者でも出来る?
私は過去に衣料品の染物にも挑戦したことがあります。その際は塩や酢を入れたり、色止めの心配をしたりと中々大変な作業でした。
それに比べると、今回は染料のみで染まるとの事で非常にお手軽に感じました。特に染物経験も必要は無いでしょう。
なお、屋内で行う場合は洗面台などを利用すると効率が良いと思われます。換気も忘れずに。
難易度は高い?低い?
どこまでの完成度を求めるか?にもよりますが、「多少のムラは気にせず、黄ばみが気にならないケースにする」事が目的であれば、難易度は低い印象です。実際に今回も温度管理などは、ざっくりしていましたが、それなりに染まってくれました。
ただし、「一切のムラも無く、市販品並みのケースに生まれ変わらせる」など、高い完成度を求める場合は、難易度が上がってくる印象です。正直、この場合は買い替えた方が懸命に感じました。
さて、染料はブラックの他にも、さまざな色が用意されています。黄ばんでしまったTPUケースに悩まされている方は、一度チャレンジしてみると楽しいかもしれません。
それでは、楽しいスマホライフを!